| ハーレム直輸入 Blues [ Mississippi--- Harlem---Tokyo ] Tokyo ⇒Harlem ⇒ Blues 2000年の3月に僕は渡米し、ハーレムのTedの家に居候を始めました。Tedは既に、50年以上もBluesを演奏し続けている、今ではNYでも貴重かつリアルなMississippi Delta Blues Manです。そんな彼と日本人の僕が一緒に演奏しているというのは、いろいろな人が不思議がっていました。しかし、多くの人が日本人の僕を認めてもくれました。 その中で、僕が感じたことは、黒人と日本人の感覚は近いのではないかということです。だから、このCDを作る時、「Black Music」と「和」を合わせて「Blues」を作ろうと考えました。 Black Music と一言で言ってもその幅は広く深く、Hip-Hop, R&B, Soul, ゴスペル, Jazz, Bluesと時代時代で変化してきています。そこで、今の時代には、今の時代のBluesが必要だと思ったのです。 なぜか、Bluesは悲しい、せつない歌だというイメージを持った人が多いのですが、それは間違いで、昔黒人達はジュークジョイントと呼ばれる酒場で酒を飲みながらBluesの演奏で踊り楽しんでいました。まさに今のクラブのように。たしかに、悲しい歌などもありますが、それだけじゃないのです。 そこで、今の時代に合う音(Sound)を使い、楽しくもあり悲しくもあるBluesを作ろうと思ったのです。 そして、もう一つハーレムで感じたことがありました。それは、Blackのカルチャーと日本の文化にはかなり近いものがあるということです。 たとえば、ソウルフード。僕は、初めてそれを食べた時、なにか懐かしい田舎の味を思い出しました。しかも、日本人の味覚にあう。 あとは、ハーレムの町自体が日本の下町のフインキに良く似ている。たしかに、昼間から飲んだくれている人とかはいるけども、人懐っこい親切なおばちゃんやおじちゃんがいる。心があったかい人々が多い。 音楽において気がついたこともありました。それは、BluesのSoulが、空手などの武士道の精神的なところ、日本のワビサビの心に共通する所があるということです。 僕は子供の頃、空手を習っているとき、空手の精神的な所を特に教えられた記憶があるので、そこの部分が通じていることがなんとなくわかりました。 (余談になりますが、黒人のJazz Musicianの実際の話で、日本の武道や仏教を学んでいた人がいたそうです。) 要するに僕は、「和」を混ぜるということを、ただ単に日本の「和の音」を混ぜるのではなく、「和」の心の部分を混ぜようと試みたのです。 Tedは、すでにBluesを極めている人物です。だから、その本物のBluesを壊さないようにこれらの事を全て混ぜ合わせ、約3年間Tedと一緒にNYのいろいろな場所で演奏し、金を稼ぎ、飯を食べ、酒を飲み、家族のように生活した結果出来上がったのがこのCDです。 だから、このBluesはとてもリアルで、なおかつ新しい感じがするけれど、とても自然で暖かく、日本の心も聞こえるBluesなのです。 ----Mitsu |
*Floyd Lee (a.k.a. Ted Williams)1930年ミシシッピ生まれ。ジミーリードと共に全米を演奏で周り、後にハーレムに移り住む。50年以上ものキャリアをもち、今も尚Bluesを演奏し続けている数少ないMississippi Delta Blues manの一人。 現在72歳。あのJohn Lee Hookerの従兄弟でもある。 |
BLUES Mississippi〜Harlem〜Tokyoは、単身渡米しハーレムに移り住み、約3年間ほぼ毎日のようにFloydと共にNYで演奏し続けたミュージシャンMitsuによって、2001年の12月にFloyd Lee ,Clara Eと共にハーレムでレコーディングされたものである。 ―“ハーレムに住む黒人のリアルな生活、空気、音と、日本的なわびさびを混ぜ合わせたBlues”― ミシシッピの古いBluesから新しいタイプのBluesまで、幅広くBluesというものを取り上げた全15曲。 Bluesファンのみならず、Black musicを好きな人々にはぜひ聞いてもらいたい1枚。 |